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過半数代表者はどう選ぶ?36協定を結ぶ前に確認すること

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事業場に過半数組合がある場合は組合、ない場合は適正に選んだ過半数代表者が36協定の相手となる。

会社が時間外・休日労働に関する36協定を結ぶとき、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がなければ、労働者の過半数を代表する人との協定が必要です。「去年と同じ人にお願いする」という方法でよいのでしょうか。2026年9月に示された調査結果を入口に、現行の選出ルールと、代表者が協定を検討できる環境を整理します。

調査で分かったのは「選び方」に課題が残ること

厚生労働省が2026年9月16日の労働政策審議会に提出した資料は、労働政策研究・研修機構の調査の速報値を紹介しています。今回調査の時点は2025年5月1日。資料では、過半数代表者を使用者が指名した場合が13.6%、親睦会の代表者など特定の人が自動的になる場合が2.4%で、両者の合計16.0%を選任が適正に行われていない割合としています。これは調査で把握した選出方法の内訳です。全国のすべての事業場で「36協定の16%が無効になった」と示す数字ではありません。

同じ資料には、代表者の位置付けや情報提供、複数代表制などに関する労使の意見も掲載されています。意見や検討課題が、2026年9月に新しい義務として施行されたわけではありません。 現在の協定を確認する際は、まず現行のルールに沿って選ばれたかを見ます。

過半数組合があるかを先に確認する

事業場に過半数組合があれば組合が36協定の当事者。なければ選出目的を示し、全員が参加できる手続で過半数代表者を選ぶ。選出後も協定案を検討する時間と情報が必要。
現行制度の概要とUnion Strategyの実務上の確認順。2026年9月に新制度が施行されたという意味ではありません。

36協定の当事者は、その事業場で労働者の過半数が加入する労働組合があればその組合です。なければ過半数代表者を選びます。自社に組合があるというだけで、すべての事業場についてその組合が過半数の当事者になるとは限りません。事業場ごとの対象者数と加入状況を確認することが出発点です。

過半数代表者を選ぶ場合、正社員だけでなくパート・アルバイトなどその事業場の労働者全体が選出手続に参加できるようにします。選出の目的を「36協定を締結するため」などと明らかにし、投票・挙手のほか、過半数の支持が確認できる話し合い・持ち回り決議などの民主的な方法をとります。労働基準法上の管理監督者に当たらず、使用者の意向に基づいて選ばれていないことも要件です。会社による指名や、親睦会役員の自動的な就任では要件を満たしません。

会社には選出を周知し、投票の場や社内システムを用意する役割があります。ただし、候補者や結果を会社が決めることとは区別します。厚労省の説明では、これらの要件を欠く場合、36協定は無効です。疑義がある場合は、実際の経緯を記録とともに確認し、協定の有効性を個別に検討してください。

選ばれた後、協定を検討する時間と情報はあるか

選出が適正でも、代表者が協定案を読む時間や職場の意見を聞く手段がなければ、実質的な検討は難しくなります。現行の労働基準法施行規則は、使用者に対し、代表者が協定等に関する事務を円滑に行えるよう必要な配慮を求めています。厚労省は社内メール、イントラネット、事務スペースなどの提供を例示しています。また、代表者になることや正当な活動を理由に不利益に扱わないことを定めています。

ここからはUnion Strategyの実務提案です。締結前に代表者が協定案と労働時間の状況を確認できる日程を設け、職場へ意見を募る方法を話し合います。協定案の内容に同意するかどうかと、選出手続の適否は分けて考えます。既存の代表者の選出経緯が確認できなければ、まず過去の公示・投票記録・対象者範囲を確かめ、必要に応じて選出手続と協定締結の扱いを会社と協議します。

労使で確かめたいこと

  1. 「この事業場では、過半数組合と過半数代表者のどちらが36協定の当事者ですか」。求める資料は事業場ごとの労働者数と組合員数の確認資料。前者が過半数なら組合との協定、そうでなければ代表者の選出を確かめます。
  2. 「代表者を選ぶ目的はいつ、誰に知らせ、誰が投票・信任に参加しましたか」。求める資料は公示文、投票・信任の方法と結果の記録、対象者の範囲。会社による指名や自動就任が判明したら、適正な選出と協定の扱いを協議します。記録がなければ適否を断定せず、実際の手続を追加確認します。
  3. 「代表者は協定案と労働時間の実態をいつ確認でき、職場の意見をどう聞けますか」。求める資料は協定案、時間外・休日労働の集計、検討日程、使える社内連絡手段。検討の時間や情報が足りなければ、締結までの日程と提供方法の調整を求めます。

出典・参考資料

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