食事補助は、会社が食事の費用の一部を負担し、従業員の食生活を支える制度です。社員食堂だけでなく、弁当の配達や職場への食品設置、飲食店で使えるサービスなどもあります。職場の人数や働く場所に合う方法と、現金の食事手当との違いを見ていきます。
食事補助は、食堂をつくらなくても導入できる
社員食堂は、職場で食事を提供する方法の一つです。しかし、厨房や食事スペースがない、小規模な拠点が多い、外勤者が多い、といった職場では別の方法も考えられます。大きく分けると、次の選択肢があります。
| 方法 | 仕組み | 導入時に見ておきたいこと |
|---|---|---|
| 社員食堂 | 職場の食堂で提供する食事を会社が補助する | 設備と運営費、提供時間、利用人数 |
| 配達弁当 | 職場に届く弁当などの代金を会社が一部負担する | 配達エリア、注文締切、最低注文数、欠勤時の扱い |
| 設置型サービス | 冷蔵・冷凍食品などを職場に置き、従業員が購入する | 設置場所、補充方法、保管・加熱設備、品切れへの対応 |
| 飲食店などで使うサービス | 提携店での食事や飲食物の購入を補助する | 勤務先周辺の利用店舗、営業時間、対象商品、決済方法 |
| 現金の食事手当 | 食事代として給与などと一緒に現金を支給する | 支給対象、金額、税務上の扱い |
国税庁の食事支給の説明にも、社員食堂で調理する場合と、弁当などを購入して支給する場合が示されています。国税庁「食事を支給したとき」
設置型の実例としては、KOMPEITOが冷蔵・冷凍の商品を届ける「OFFICE DE YASAI」を提供しています。職場外で使う方式では、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」が、加盟する飲食店やコンビニエンスストアなどで食事・飲食物を購入する仕組みを提供しています。いずれも制度の形を知るための例であり、特定サービスの推奨ではありません。OFFICE DE YASAI公式サイト/エデンレッドジャパン会社概要
働く場所と時間から選ぶと、候補を絞りやすい
同じ事業所で昼休みを取る人が多いなら、配達弁当や設置型サービスが候補になります。注文をまとめやすいか、休憩中に受け取れるかを見れば、運用の姿を想像できます。
外勤や在宅勤務が多い場合は、職場に食事を置くだけでは利用できません。飲食店などで使える方法について、実際に働く場所の近くに対象店舗があるかを確かめます。全国で使えるという説明だけでなく、本人が昼食を取る地域と時間帯で調べることが必要です。
夜勤や交替勤務のある職場なら、食堂の営業時間や弁当の配達時刻が休憩に合うかが先になります。昼の制度をそのまま当てはめるより、夜間に取り出せる食品を用意する、別の受取時間を設けるなど、勤務帯ごとの方法を考えられます。
こうした選び方はUnion Strategyの整理です。一つの方式で全員を支えることが難しければ、本社は食堂、小さな拠点は配達弁当というように組み合わせる余地もあります。
現物の食事補助と、現金の食事手当は税務上の扱いが違う
2026年4月1日現在の国税庁の説明では、支給する食事が給与として課税されないためには、次の両方を満たす必要があります。
- 本人が食事の価額の半分以上を負担すること。
- 食事の価額から本人負担額を引いた会社の負担分が、月7,500円以下であること。判定は消費税・地方消費税を除いた額で行います。
これに対し、食事代を現金で補助する場合は原則として全額が給与として課税されます。深夜勤務の夜食代などには例外がありますが、通常の現金手当に上記の月7,500円の条件をそのまま当てはめることはできません。国税庁「食事を支給したとき」
また、税務上の食事の価額は、購入した弁当なら購入金額、社員食堂で作る食事なら材料費などをもとにします。外部サービスを使う場合は、契約上の食事提供の仕組みや本人負担の管理がどうなっているかを、会社の経理担当者と確認します。サービス名だけで課税の有無を決めることはできません。
非課税の限度額は、会社が必ず支給する額でも、必要な食費を示す額でもありません。制度の目的と費用負担を決めたうえで、税務上の条件を満たすかを別に確認します。
導入・見直しでは「いくら補助するか」と「使えるか」を一緒に見る
候補を比較するときは、本人が一食に払う額だけでなく、会社が負担する食事代、サービス利用料、設備・配送などの費用を分けておくと、制度を続けるために必要な費用が分かります。
組合が聞きたいのは、普段どこで食事を取り、費用・時間・選択肢のどこに困っているかです。弁当を持参する人にも、今の方法を希望しているのか、近くに買える場所がないからそうしているのかを尋ねると、必要な支援が見えます。
既存制度の利用が少ない場合も、すぐに増額や廃止へ進める必要はありません。勤務時間に合わないなら提供時間、買いたいものがないなら品ぞろえ、本人負担が重いなら補助額というように、直す場所が違います。
食事補助を選ぶ出発点は、職場の食事の実態です。食堂の有無にかかわらず、働く場所と時間に合い、無理なく利用できる方法を選べれば、制度の選択肢は広がります。
福利厚生と給与の関係は、基本給・賞与・福利厚生の違いで整理しています。
出典・参考資料
- 国税庁「No.2594 食事を支給したとき」、2026年4月1日現在の法令等。食事支給の非課税条件、食事の価額、現金補助の扱いを参照。掲載ページ
- KOMPEITO「OFFICE DE YASAI」公式サイト、掲載年月の記載なし。冷蔵・冷凍商品の設置型サービスの仕組みを参照。掲載ページ
- エデンレッドジャパン「会社概要」、掲載年月の記載なし。加盟店で食事・飲食物を購入するサービスの仕組みを参照。掲載ページ
資料確認日:2026年9月21日。各サービスの利用条件・契約内容は導入時に確認してください。
